きょうこの頃



2016年10月2日(日)

 的場昭弘『とっさのマルクス』読了。

http://www.mammo.tv/interview/archives/no257.html

渡る世間も金次第
 貨幣がもつている普遍性は、全能であるということだ。だから貨幣は全能な存在として通用する-貨幣は人間の欲求と対象との、人間の生活と生活手段との間の媒介項である。
 しかし私と私の生活とを媒介するものは、一方で私と他の人間の禧在も媒介してくれる。それは私にとって他の人間ともいえるのだ。(経済学・哲学草稿)

貨幣は物品を交換するもの。しかし物品を交換するものであるということは、他人の労働と自分の労働とを交換する社会のコミュニケーションそのものであるということ。貨幣を蓄積することは、その意味で交換すなわちコミュニケーションを断つということだ。いつの間にか蓄財が自己日的化するので要注意。
(43頁)

共産主義には形がない
 共産主鰹はこうあるべきといったひとつの状態、現実を変える理想状態などではない。共産主義と私たちが呼んでいるものは、現在の状態を止揚しようとする運動のことである。(ドイツ・イデオロギー)

マルクスが初めて共産主義を定義した露葉です。共産生義はある決まった形式をもつ制度一ではなく、現在の状況を変革しようという運動であると言っています。共産主義をあれやこれやの形で捕らえようとするものにとって、この言葉のもつ意味は大きいと思われます。
(104頁)

単行本: 119ページ
出版社: 幻冬舎 (2009/6/24)
言語: 日本語
ISBN-10: 4344016874
ISBN-13: 978-4344016873
発売日: 2009/6/24
商品パッケージの寸法: 17.8 x 12 x 0.6 cm
内容紹介

働いても働いても生活が苦しい(涙) 上司が会社の言いなり(涙) もっと強くなりたい(願)⇒マルクスに相談だ!

マルクスの膨大な著作の中から、生きづらさを感じる現代人の悩みや問題意識へのヒントとなる名言を厳選。貧困、格差、資本主義の矛盾、タフネスの鍛え方など、マルクスの言葉を現代的な視点からやさしく切れ味鋭く読み説いた解説を添える。「他人を解放する前に自分を解放せよ」「世界を変革することが重要だ」「プロレタリアの勝利でブルジョアは没落する」「すべての歴史は階級闘争の歴史である」「世界のプロレタリアよ、団結せよ」――覚えて口にするそのときから、内なる革命が始まる1冊。
内容(「BOOK」データベースより)

マルクスが書いた膨大な作品の中から、これはといった珠玉の名言を引用することで、社会を分析、批判するツールに。世界一簡単なマルクス入門。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

的場昭弘
1952年、宮崎市生まれ。神奈川大学経済学部教授。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士

Akihiro Matoba
的場 昭弘

1952年、宮崎市生まれ。神奈川大学経済学部教授。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士。




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