きょうこの頃



2015年8月11日(火)

 谷崎潤一郎『細雪』全編読了。
 下巻はあっけなかった。

 桁(げた)を履いて生まれてきた人種たちの話である。

 “こいさん”はみずから下駄を脱ごうとするのであるが、けっきょくできない。
 最後まで不良少女である。
 それも三十路の。

 桁上げの不自由とプライド。
 ジェーン・オースティンの『自負と偏見』でもある。

 桁のない一般の人間に対する視線は、あまりない。





content2016
content2015
content2014