きょうこの頃



2014年5月28日(水)

 司馬遼太郎『街道をゆくA 韓のくに紀行』読了。

 藤原惺窩(148頁)

 谷津(170頁)

 両班(ヤンパン)(174頁)

 近江の鬼室集斯(クイシルチプサ)


 儒教国家というものは自然のままの人間というものを認めない。人間は秩序原理(礼)でもって飼い慣らして初めて人間になる。そうなっている。
 たとえば野馬は馬ではなく、それをとらえてきて一室のかこいのなかに入れ、非自然的な調教法で馴化させてはじめて馬になる。人間もおなじだ、という思想である。
(438頁)

  韓國にあっては、李朝式の儒教によって、十親等までが濃厚な身内とされる。日本人もおなじく孔子や孟子を読みはしたが、とてものこと、こういう本格派の儒教社会の人間のシガラミというものは理解できない

(211頁)


〈ワイド版〉街道をゆく 2

韓のくに紀行

著者/訳者

司馬遼太郎/著

出版社名

朝日新聞出版

発行年月

2005年02月

サイズ

305P 19cm

販売価格

1,100円 (税込1,188円)

本の内容

戦時中、兵士として関東軍に送られるとき、貨車の窓から心にとどめた「韓のくに」。朝鮮民族の独自性や日本との交流の歴史を考察する。

目次

加羅(カラ)の旅(韓国へ
釜山(プサン)の倭館(ウエグアン)
倭城(ウエソン)と倭館(ウエグアン) ほか)
新羅(シルラ)の旅(首露王陵(スロワンヌン)
新羅(シルラ)国
慶州仏国寺(キヨンジユプルグクサ) ほか)
百済(ペクチエ)の旅(大邱(テグ)のマッサージ師
賄賂について
洛東江(ナクトンガン)のほとり ほか)

ISBN

978-4-02-250102-8

著者情報

司馬 遼太郎(シバ リョウタロウ)
1923年大阪府生まれ。大阪外事専門学校(現大阪外国語大学)蒙古科卒 業。60年『梟の城』で直木賞受賞。75年芸術院恩賜賞受賞。93年文化勲章受章。96年死去。主な作品に『国盗り物語』(菊池寛賞)、『世に棲む日日』 (吉川英治文学賞)、『ひとびとの跫音』(読売文学賞)、『韃靼疾風録』(大仏次郎賞)などがある 





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